コレクション展示「諸橋轍次の父 諸橋安平展」

  • 会期:2024年4月4日(木)~~5月28日(火)
  • 会場:常設展示室特別展示コーナー

諸橋轍次は、父安平(やすへい)を「親ばかでなく、子ばか」(*1)と表現するほど尊敬していました。コレクション展示「諸橋轍次の父 諸橋安平」では安平の書画をはじめとする資料から、その人物像にせまります。

*1 諸橋轍次1965「私の履歴書」p.222

諸橋安平(やすへい)は嘉永6(1853)年に旧大面(おおも)村(現在の三条市大面)の複数の村をたばねる大庄屋の家に生まれ、父が開いた私塾で国学と漢学を学びます。また三条在住の画家に日本画を学びました。さまざまな知識や教養を身につけた人を「知識人」と呼びますが、安平は当時の知識人のひとりとして、詩歌や書・日本画作品を残しました。
安平は教育者としても大きな功績を残しました。日本初の近代的な学校制度である「学制」が明治5(1872)年に公布され、翌年10月には三条市庭月にこの地域初の小学校となる長野校が開かれました。安平は明治9(1876)年11月に当時の正規教員「訓導」の資格を得て長野校に勤務し、以降郷土の教育に尽力しました。
諸橋轍次は父である安平を尊敬し、その仕事や彼の残した作品や愛用品を大切に保管しました。この展示では、諸橋轍次が保管してきた父安平の書画をはじめとする資料を紹介しています。

2024/04/04撮影 展示風景