2025年度企画展示「教育者 諸橋轍次」

  • 会期:会期:2025年9月5日(金)~12月11日(木)
  • 会場:常設展示室企画展示コーナー

大漢和辞典の編さんをはじめとする漢学普及の功労者として讃えられる諸橋轍次。その業績は派手さや華やかさとは無縁の、教育者としての日常を送りながら生み出されたものといえます。この展示では諸橋轍次が大切に保管してきた資料や原稿、墨書をとおして、大学で教育にあたる様子や学生との交流に関する資料を紹介します。
1908年4月に24歳で群馬県師範学校の教師となり、1967年3月に83歳で青山学院大学の講師を辞めるまでの教師としての生活はどのようなものだったのでしょうか。諸橋轍次は教師として勤務しはじめたころのについて「毎日毎日の授業が楽しくてたまらない」「あらん限りの情熱を傾けて」*1と記しています。文化勲章を受けた際には「教育するためにやっていおるとも考えない。ただ愉快であるからやっておる」「そういうことでずっとやってきました」*2とも述べています。
教育に情熱を注ぎ楽しむなかで生み出された学生との交流を示す書や資料は、諸橋轍次記念館はもちろん日本各地の大学にも大切に保存され活用されています。今回の展示では大学が保存してきた資料もご紹介します。企画展示「教育者 諸橋轍次」は12月11日まで開催の予定です。この機会にぜひご覧ください。

*1諸橋轍次1965「私の履歴書」(『諸橋轍次著作集』第十巻 大修館書店 収録)p.233
*2諸橋轍次1965「文化勲章受章祝賀会挨拶」(『諸橋轍次著作集』第十巻 大修館書店 収録)p.556

企画展示教育者諸橋轍次 展示風景